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蝶と蜘蛛

第85章 揺れる心と押す背中


表彰式の後、テントから撤収し始める選手たちの背中を見つめていると、ふと青八木くんの歩き方に微かな違和感を覚えた。
足を引きづるような、でも気づかれまいとするような動き。

胸の奥がざわつく。
風が一瞬止まったように感じた。

ーーまさか。

その言葉が頭をかすめたけれど、すぐに首を横に振った。
きっと気のせい。
そう思いたかった。

私は唇を噛み青八木くんの背中を見つめ続けた。
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