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蝶と蜘蛛
第84章 届かない手のその先で
陽が落ち、会場のざわめきが少しずつ遠のいていく。
荷物を積み終えた頃には空は茜色に染まっていた。
『じゃあ、私…救護テントに寄ってから宿に戻るね』
幹にそう伝えると、彼女は少し疲れた笑顔で頷いた。
「わかった。気をつけてね」
隣では段竹くんも同じように額の汗を拭っていた。
「俺も行きます。一差の様子、ちょっと心配なんで」
その言葉に頷き、2人で救護テントへと向かった。
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