第84章 届かない手のその先で
インターハイ初日。
総北は惜しくも京都伏見と同着2位でのゴールとなった。
純太は山で全力を使い切り、鏑木くんは暑さと緊張の影響なのか先ほどまで元気だったのにも関わらずその場に崩れ落ちた。
テントの中はどこか重たい空気が流れていた。
しかし、メンバーミーティングを行った後、テントから出て来た選手たちの瞳には再び光が宿り、互いの背中を見つめ合うように頷き合う。
私は胸の奥に温かいものを感じながら、選手たちに声をかけた。
『今日はもう宿に行って休んで。鏑木くんは…救護テントまで運んでくれる?』
1年生たちが慌ただしく動き出し、鏑木くんの体を慎重に支えながら運んで行く。
その背を見送った後、私は残ったサポート陣とともに撤収作業へと取り掛かった。