第76章 最後の時間(巻島目線)
翌日、茉璃が部活を休んで俺の家に来ると聞いた時、正直動揺した。
また母さんが勝手に誘ったのだと知って、文句をいう気にもなれなかった。
嬉しいくせに、落ちつかねェ。
『お邪魔します』
茉璃の元気な挨拶と楽しそうな母さんの声が1階に響く。
すると一通り挨拶が済んだのか茉璃がパタパタと階段を駆け上がる音が聞こえて来る。
俺は止まってしまっていた手を再度動かし
「ん、あれ、いつの間にきてたショ」
なんて気がついていなかったふりをする。
『今来たところだよ。お母さんが夕飯にするから降りておいでって』
その言葉に頷くと手早くスーツケースの中身を詰め終え、茉璃とともにダイニングへと向かった。