• テキストサイズ

蝶と蜘蛛

第73章 親友へ(巻島目線)


図書館を後にしてから俺はアドレス帳の中から東堂の名前を探し電話をかける。
しかし、耳に当てたところでなんて言ったらいいのかわからなくなった。

天気の話から入るか
流行ってるお茶の話か
そんで「9月には日本にいません」?
「自転車はもう一緒に走れねェ」?
あいつはなんて返すんだ。
何を言うんだ。
この電話、どうやって

(どうやって電話切るんショ)

俺は耳から携帯を離し東堂が出る前に終話ボタンを押した。

(違う…違うショ…なんつうか、電話じゃねェ…!)

俺は図書館に戻ると席につきレポート用紙に”東堂尽八様”と綴る。
しかし描こうとしても何も思いつかず1行たりともかける気がしない。
そんな様子を見て帰り支度をしている茉璃はクスクスと笑う。

『裕介さん、誤魔化したら…ダメだよ』

その言葉にハッとする。
あいつはいつも口うるせーし、いちいちしつこいやつだ。
けどいつも本音だ。
100%本気なんだ。
だったら俺も、大事な話すんだったらーーー
/ 357ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp