第63章 インターハイ2日目
そんな話をしていると、近くにいた女の子たちがヒソヒソと話している声が聞こえてきた。
その声は昨日の尽八と私の事を言っている。
私は裕介さんの方へ視線をやると少し苦笑いをしている。
(早く誤解を解かないと…)
私はその女の子たちの元へと駆け寄ると女の子たちに声をかけた。
『あの、私尽八とは付き合っていません!』
その言葉に驚いたように固まっている女の子たちに追い打ちをかけるように尽八もそこにやってきて女の子たちに話しかける。
「誤解をさせてしまっているようですまない。だが、彼女の言っていることは事実だよ」
いつにもなく真剣な表情の尽八に女の子たちは圧倒されている。
そんな中一人の女の子が”これから付き合うって可能性は?”なんて嬉々として聞いてくるものだから私たちは目を見合わせて笑った。
「ないな!なぜなら彼女にはもっと似合いの男がいるのだから!だからすまない。期待には答えられそうにないのだよ」
『私にとって尽八は大事な幼馴染だし、家族同然の存在。でも私、尽八とは別に大事に想ってる人が居るんだ。だから、ごめんね』
私たちのその言葉に女の子たちは納得してくれたようで、火消しを手伝ってくれるという。
聞けば彼女たちは東堂ファンクラブの幹部。
それなりの地位にいる子達らしいのだ。
これでこの噂はそのうち落ち着くだろう。
テント前へと戻ると裕介さんがどこか照れ臭そうな顔をして出迎えてくれた。
「お前ら、格好良すぎっショ」
私と尽八は再び顔を見合わせて笑い合い、今日のレースのためお互いのテントへと戻って行った。