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蝶と蜘蛛

第57章 インターハイの幕開け


私は金城さんたちより先にテントへ戻るとそこには集中力を高めている裕介さんがいた。

「ん、茉璃か。ついにきたショ。インターハイ」

その表情は緊張しているというより楽しんでいるように見える。

『裕介さん、頑張ってくださいね』

私がそう伝えると裕介さんは少し不満げな顔をした。

「…今は、誰もいないショ」

こんな時なのに少し拗ねたようにみえる裕介さんはちょっと可愛い。
私は裕介さんの手を握りまっすぐ見つめる。
すると裕介さんは少し驚いたような照れたような顔をした。

『もう…今は部活中なのに。…裕介さん、頑張ってね。信じてる。テッペン、獲ってきて』
「あぁ!任せとけショ!」

裕介さんの手を離し、クルリと背を向けると私はテントのカーテンを捲り裕介さんを送り出す。

『裕介さん、いってらっしゃい』
「おう、いってくる!」

裕介さんはポンと私の頭を撫でると捲られたカーテンから出ていく。
そこにあったのは気合いに満ちたとてもカッコ良い背中だった。
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