第34章 2人きりのクリスマス(巻島目線)
公園に到着すると茉璃が目をキラキラさせながらイルミネーションを眺めている。
茉璃は終始辺りを見渡しては綺麗綺麗と呟いている。
(クハッ。そんなに目キラキラさせて、おめぇの方が綺麗ショ)
そんなことを心の中で思いながらイルミネーションを見ている茉璃を堪能したり、山羊サンタとかいうサンタのコスプレをさせられた山羊を見たり、スノードームを作ったりと、時間はあっという間に過ぎて行った。
あっという間に帰りの電車。
俺は心底緊張していた。
昨日のクリスマスパーティーの時ですら俺の家にいることに緊張していたのに、この2人きりの状況で果たして家になんかきてくれるのだろうかと不安ばかりが募る。
(いや…何のためにプレゼントを家に置いてきたショ裕介!ここで勇気を出さなきゃ男じゃないショ…!)
頭の中でグルグルと考えているといつの間にか最寄り駅に到着していた。
先に改札から出た茉璃を後ろから追いかけてから立ち止まり意を決して口を開く。
「その…まだ時間があればなんだが…うち、こないか?」
俺の誘いに驚いたような表情を見せた茉璃を見て
「あ、嫌ならいいんショ!その…なんだ…もうちょっと一緒にいてぇとか…柄にもねぇこと思っちまってな」
なんて口走る。
その瞬間、茉璃は顔を真っ赤にしながらこちらに笑顔を向け
『私ももうちょっと一緒に居たいと思ってたところです!』
なんて可愛い返事をしてくれた。