第4章 再会そして
私は部室に入っていく田所さんたちに頭を下げ、巻島さんの元へ向かう。
葉っぱの隙間からキラキラと溢れる日差しを浴びて佇んでいる巻島さんの姿はとても美しく見えた。
少しそれを見つめていると、不思議そうな顔をしてこちらへ声をかけてくる。
「ん?なんショ?」
『巻島さんがとても綺麗に見えたので…』
「クハッ。怖いでいいショ。」
さっきから私は何を口走っているのだろう。
急いで話題を切り替える。
『私、1年の富永 茉璃と言います。昨日はありがとうございました。とても助かりました。もしよろしければ、何かお礼をさせてはいただけませんか?』
私がそう伝えると
「別にあれぐらいのこと…気にしなくていいショ」
と少し微笑みながら言った。
と、同時に巻島さんのポケットから着信音が鳴り響く。
巻島さんはポケットから携帯を取り出すとディスプレイを確認し、そのまま携帯をポケットにしまってしまった。
『出なくて大丈夫ですか?』
「あぁ。大丈夫ショ」
そう言ってる間に着信音が切れた…と思ったらまたかかってくる。
『あの…またかかって来ましたけど…』
「いいんショ」
そしてまた着信音が切れたと思ったらかかってくる。
何度無視してもかかってくる電話に少しイラついた様子でこちらに一言謝ってからようやく電話に出る。
「しつこいッショ!!!____お前がしつこいからショ。______んで、なんの用ショ。_______お前は何個記念日を作れば気がすむんだよ。まぁ、ちゃんと申し込んでるショ。______(ブチッ」
なんだか電話先の相手がまだ話していたような気もするが、巻島さんはそのまま通話終了ボタンを押す。