第4章 再会そして
「余計なこと言うんじゃないッショ!!!田所っち!!!」
そう声を荒げて現れたのは、玉虫色の髪の彼、巻島裕介さんだった。
突然現れた巻島さんに驚くこともなく、田所さんは笑いながら話を続ける。
「いや、だってよ!ずーっとお前がこの子のこと可愛(ry」
「だから、言うなって言ってるショ!!!」
少し顔を赤らめて焦ったように田所さんの言葉を遮る巻島さんの姿を見て少し可愛く思ってしまった。
昨日はあの先輩を睨みつけるような顔と俯いた顔しか見られなかったので、違う表情を見られたことが素直に嬉しかった。
「な、なんショ…?」
その言葉で今自分が笑ってしまっていたのだと気がつく。
『あ、いえ!その…仲がよろしいんだなと思って』
自分でも何を言っているのだろう。
私はお礼をしなくてはということを思い出し話を切り替える。
『その、私、昨日はちゃんとお礼を言えなかったので、お礼を言いたくて純太…手嶋くんに連れて来てもらったんです。』
そう伝えると巻島さんの顔がますます赤くなったように感じた。
そんな巻島さんを見て、田所さんの顔はますますニヤニヤして言っているように見える。
巻島さんもその表情に気づいたようで、田所さんと純太、青八木くんに部室に入って練習の準備をするよう促す。
そして巻島さんは部室傍にある木の下に向かい私にこっちこっちという風に手招きをする。