第12章 二つのポッド
ポッドに近づきながらどうやって乗れば良いかと考えた
ラディッツが座席に座り、膝に自分が乗って座席と装置の間にベジータ
それが一番良い乗り方だろうか
2人に自分の考えを提案して早速ポッドに乗り込む
その乗り方でハッチも無事に閉まり、航路を打ち込もうと装置に手を伸ばした
すると、ベジータが何とも嫌そうな顔をしてこちらに顔を向ける
「……ミズナ」
「あ、装置が体に食い込みますか?」
「それもあるが……」
「?」
「何故ラディッツの脚を見なければならん」
「仕方ないですよ。そこ、座席の下なんだから……っ!」
そう言いながら装置を弄ろうとしたところで再びハッチを開けられた
窓に手をついていた自分は外へと転がるようにして出てしまう
「いっ、痛あ~い」
強かに腰を地面に打ち、あまりの痛さに左右にコロコロと地面を転がった
「ミズナ!」
ラディッツが慌てたようにベジータを跨いで外に出てくる
転がる自分の身体を起こすと砂を払い落として身体を摩ってくれた
涙目でベジータの方を見ると、彼はポッドの縁を掴んで外へと出てくる
「もお、何するんですか!」
「その程度で痛がるな。サイヤ人だろう」
「サイヤ人だって痛い時は痛いです!石がグリッて腰に!」
そう言い返す自分を軽く睨むと再びポッドの方へ身体を向けた
良い座り方だと思ったのにとぼやきながら立ち上がると彼の隣に並ぶ
「どうやって座れば……私、もう思いつきません」
「……」
ベジータが無言で自分を指差し、続いてその指先を座席に向けた
自分に座れと言う事だろうと思い、その通りに座席に腰を下ろす
これでどうるすのかと顔を上げたところで目の前が翳った
何だと瞬きをしたところで膝に重みを感じる
「え?べ、ベジータさん?」
「……肉が薄いな。骨が刺さる」
「な、何ですか、失礼な!大体、何で女の膝に男が……」
「逆なら良いのか」
そう言うと彼が立ち上がり、腕を引くようにして自分を立たせた
入れ替わるように彼が座席に座ると自分に膝に座るように促す
失礼します、と断ってから膝に腰を下ろすと、ラディッツの方を見た
「ラディッツ、入れ」
「あ、ああ」