• テキストサイズ

ドラゴンボール/ラディッツ

第12章 二つのポッド


「まあ、2人乗りすれば帰れるけどな」
「そうですよ。この星暑いし、身体は煤だらけだし……早く帰りましょう」
「ああ」
「あ、私はラディと乗りますからね」
「何?」
「恋人同士が一緒に乗るのは当然です」

そんな話をしている内にポッドの光が遠くの空に見えてきた
瞬く間にそれが近づいて来ると少し離れた場所にゆっくりと下りる
底が地面に着くのと同時に空気が抜けるような音と共にハッチが開いた

「ポッドに異常なし。母船で会いましょう」
「じゃあな」

ミズナとラディッツがさっさとポッドに乗り込もうとする
ベジータは組んでいた腕を下ろすと背後から声をかけた

「待て」
「はい?」
「ナッパがポッドに乗るともう1人入るのは無理だ」
「え?あ……ナッパさんだと1人で満員状態ですね」
「ベジータは小さいから大丈夫だろ」
「そうですよ。座席下は無理でも膝の上に……」
「そんな場所に座れるか!」
「……ベジータさん、相変わらず我侭ですね」
「俺と一緒に乗るとしても膝の上だぞ。まぁ、ミズナを他の男と一緒のポッドには乗せられないがな」
「ほんの1ヶ月間だけじゃないですか。その間、コールドスリープで……」
「その間、悪夢に魘される」
「……夢見は悪いでしょうね」
「我慢しろ、ベジータ。所詮は夢だ」
「断る」

決して譲ろうとしないベジータにどうしようかと考えを巡らせる
身長の高いラディッツではナッパと同席するのは無理だろう
身体の細いミズナならば楽に入れるが、ラディッツが譲ろうとしない
あれこれ考えたところでナッパが口を開いた

「……3人で乗ったらどうだ?」
「え?」
「ベジータとミズナは小柄だろう。何とかすれば乗れるんじゃないか?」
「動けなくはなるが……まぁ、寝てるだけだしな」
「うーん……そうですね。じゃぁ、ナッパさんは先に母船にどうぞ」
「ああ。暑さにやられる前に帰らないとな」

そう言い、ラディッツのポッドに乗り込む
爆風が来ない場所まで離れると少ししてポッドが轟音と共に空へと飛び出した
風に煽られる髪を押えながらそれを見送ると、残った3人で1つのポッドに視線を移す

「さあ、私達も帰りましょうか」
/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp