第17章 クウラ軍・前編
一瞬の間を置いて発した自分の怒声にナッパが慌てて走って行った
その先でべジータが呆れたように首を竦めるのが見える
二人の姿がカーブを曲がって見えなくなるとミズナの方に体を向けた
今の話が何を示すのか分かっているのか、彼女は顔を赤くして焦ったように笑っている
「あ、あはは、今日はゆっくり休まないと。ね、ラディ」
「ああ……ミズナ、行くぞ」
「うん」
頬を赤らめたまま、笑顔でこちらへと近付いて来るミズナ
彼女が自分の側に居られるか、クウラの元へ行く事になるかは明日の結果次第
桁違いの戦闘力を持つサウザーを相手にどこまで戦えるだろう
だが、自分にはミズナを手放す気は全く無かった
サウザーに勝てば良い
それが条件なのだから全力で戦い、彼女を守ろう
ラディッツはそう思い、ミズナの手を握る右手に僅かに力を込めた