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ドラゴンボール/ラディッツ

第12章 二つのポッド


炎が上がり、黒煙が立ち上る街
崩れる建物に興味を示さずに4つの人影が立っていた
火山地帯ばかりで人が住んでいる場所はほんの僅かしかない
こんな星を欲しがる種族がいるのだろうか
そう思わせるほど荒れている惑星だった
スカウターを弄っていた手を止めると、ベジータの方を見る

「もう街は残ってないな」
「ああ……4人で来る必要も無かったな」

この程度の星ならサイヤ人2人で十分だった
仕事が終わったのだからもうこんな星に用は無いだろう
ベジータはそう思いながらこちらに顔を向けた

「さっさと帰るぞ」
「ああ」

ここからポッドの着地地点まではかなり距離がある
自分達で向かうよりもポッドを呼んだ方が楽だろう
皆も同じ考えなのか、スカウターに手を触れた
信号受信のマークが表示されるのを見ながらパネル部分についた煤を拭う
するとその向こうでベジータとナッパが何度もスカウターを弄っているのが見えた

「どうしたんだ?」
「……壊れた」
「壊れた?」
「ポッドが反応しないぜ」
「え?ナッパさんもですか?私のはちゃんと動いてますけど……」

ミズナがそう言いながらスカウターの文字を見る
そこには確かにポッドからの受信マークが表示されていた

「ああ……おかしいな」
「うーん……あっ、あそこ、火山に近かったですよ」
「そうだったが……?」
「地面に光弾が当たる度に遠くの山も、近くの山も溶岩が噴出してましたよ。2人のポッド、飲み込まれたんじゃないですか?」
「あー……そういや、お前達ハッチ閉めないでさっさと行っちまったからな」
「中に溶岩入っちゃったらさすがに壊れますよー」
「……」
「……」
「代わりのポッド呼ぶ……のは無理ですね。今は数が足りないって言ってたし」
「じゃあ、俺達が先に帰ってから折り返し……駄目か。往復で2ヶ月掛かる。餓死するな」
「街も畑も無いし……携帯食料渡しても、1週間くらいしか持たない、かな」
「お前達、随分楽観的だな」
「壊れたのは俺達のポッドじゃないからな」
「そうです。ベジータさんと、ナッパさんのです」

そう言い、どこか穏やかに見える表情を浮かべる2人
それに対しベジータとナッパは僅かに殺意を覚えた
だが、この2人は数少ないサイヤ人の生き残り
こんな事で戦闘になっても仕方が無いだろう
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