第11章 一ヶ月の処分(リクエスト)
テーブルの上に隙間無く並べられた皿
ミズナは2人が食べているのを眺めながらジャケットのウエスト部分を広げるように引っ張った
「苦しい~。食べすぎちゃった……」
「大丈夫か?」
「うん……美味しいからつい……あっ!」
「何だ」
「あ、あの、ベジータさん。ナッパさんは……?」
「ナッパ?……そう言えば通信が入って来ないな。寝てるんだろう」
「お腹空いてるかも。呼びますね」
そう言い、スカウターに手を触れる
スイッチを押そうとした所でラディッツの手が重なった
「ん?」
「いい。勝手に何か食うだろう」
「え?意地悪しちゃ可哀想だよ」
「良いんだって。年上のあいつに俺の料理が合うとは限らんし……」
「確かに……若い人向けの料理、かな」
「それに、呼んだとしても……何も残ってないぞ」
ラディッツがベジータの方に視線を向ける
自分もそちらを見ると、彼が唐揚げを口に入れるところだった
テーブルに視線を落とすが、皿には何も残っていない
ベジータは口元を拭うと水を飲んで立ち上がった
片手を前に出すとテーブルにエネルギー波を打ち込む
「うわっ!」
「何するんですかあ!」
ガラスの破片が舞い上がり、慌てて身を翻すとソファの背後に飛んだ
そんな自分達を尻目にベジータは二階への階段を見上げる
「証拠隠滅だ。ナッパに見られたら煩いだろう」
「まあ……そうですが……」
「俺は少し寝るぞ」
そう言い、ベジータが階段を上がった
ラディッツとミズナが顔を見合わせ、その後を追う
左右に1つずつあるドアの内、右側のドアを開けた
中を覗くと、大きなベッドが正面に置かれているのが見える
室内に入ると戦闘ジャケットを脱いで棚の上に放り投げた
そのままベッドに寝転がると、ドアが閉まる音が聞こえる
視線を下に向けると、ミズナとラディッツが立っているのが見えた