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ドラゴンボール/ラディッツ

第10章 理由(リクエスト)


「参ったな。どんな処分だと思う?」
「う~ん……私にも手伝えれば良いんだけど……」
「……覚えてはいないが、俺のせいだ。自分でなんとかする」
「う、うん……それにしても、お腹空いたなあ……」

その言葉に側に立っているべジータも頷く
ラディッツは戦闘ジャケットの埃を払うと通路の奥へと視線を向けた

「食堂は大丈夫だと思う。ナッパを追いかけてすぐに出た……と思うから」
「本当に覚えてないの?」
「ああ……調理場から出て、その後はどうしたか……」
「凄い戦闘力だったよ?私よりもずっと上だった」
「そうなのか?コントロール出来ればいいんが……無理そうだな」
「あれで理性があれば……凄いだろうね」

そんな話をしながら食堂へと向かう
途中で半死状態のドドリアとナッパを見掛けたが、3人は僅かに顔を背けて素通りした
被害の少ない食堂へ入るが人の姿は全く無い
船を離れて避難してしまったのだろうか
だが、床に落ちて割れた皿以外は全て無事なのを見て安心した
べジータが料理を取りに行くのを見ながらラディッツは隣の部屋へと入る
調理室の片隅に座り込んでいた料理人が冷蔵庫に残っていたプリンを出してくれた

「ど、どうぞ」
「悪いな。……その、ケガとかしてないか?」
「大丈夫です」
「そうか。良かった」

そう言いながらプリンが乗ったトレイを受け取り、周囲を見回した
調理器具が床に落ち、棚を1つ壊した程度で済んだらしい
他の場所とは格段に被害が少なかった
後で片づけを手伝おうと思いながら調理室を出る
席に着かずに待っていたミズナに近付いてトレイを渡した

「ほら、プリン」
「美味しそう。6個も食べて良いの?」
「ああ。もっとあったんだけどな……ナッパが食っちまった」

そう言い、べジータと同じテーブルのイスを引く
そこにミズナを座らせると、その隣に腰を下ろした
嬉しそうにカップを手に取るミズナを横目に見るべジータ
すると、それに気付いた彼女が笑みを浮かべた

「食べたいですか?1個だけですよ~。残りの5個は私の分です」

言葉と同時にトレーの端に銀色のカップに入ったプリンが置かれる
べジータはじっとそれを見ると、小さく笑みを浮かべた
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