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ドラゴンボール/ラディッツ

第10章 理由(リクエスト)


「べジータさん、何か様子が……」

言葉の途中でべジータの背後に火柱が上がる
反射的に彼が振り向くと、炎の合間に一瞬だが人影が見えた

「っ!……あれは……ラディッツ、か?」

長身に長い髪のシルエット
それは紛れも無くラディッツだった
スカウターに表示される数値はあり得ないほど跳ね上がっている
火柱は母船の天井を一部吹き飛ばし、その他にも彼が開けたと思われる穴がいくつもあった
その全てが内側から開けられているのに気付いて首を傾げる

(侵入者でもいるのかな?でも、それにしては変だし……)

そう思っていると、ミズナのスカウターに耳障りな雑音と共に通信が入った

『ミズナさん!帰って来たのなら早く来てください!』
「フ、フリーザ様?はい、すぐに!」
『ラディッツさんを止め……』

そこまででフリーザからの通信が途切れる
ミズナはべジータと顔を見合わせると近くの穴から船内へと入った
警戒音が煩いほど鳴り響き、非常灯が点滅している
電気系統がショートして様々な場所で火花が散っていた

「フリーザ様、どこですかー」
「ここですよ。早くラディッツさんを!」
「あの、なぜ私が?今のラディの戦闘力では私には……」
「あなたにしか止められませんよ!さあ、お行きなさい!」

声が聞こえた方に顔を向けるが、煙が立ち込めていてその姿は見えない
ミズナは足元を確かめながら先へと進んだ
すると正面で一瞬、青白い光が揺らめく

「……っ!」

慌てて身体を逸らせ、放たれた青い光線を避けた
自分ではなく、前にいたフリーザを狙ったのだろう
だが彼が避けたせいで自分に当たるところだった

(もお、こんな時くらい盾になってくれても良いのに)

そんな無理なことを思いながらスカウターに視線を移す

「えっ……!?」

スカウターに映し出されたラディッツの位置
それが正反対の位置に移動していた

「早い……後ろから捕まえたかったんだけど……」
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