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ドラゴンボール/ラディッツ

第10章 理由(リクエスト)


突き当たりの角を曲がると悲惨な光景が目に入る
殆どの壁が壊され、配線が露出していた
横を見ると壁に開いた大穴と、その奥に倒れているザーボンが見える
彼以外にも多数の戦士が気を失っていた
フリーザはそれらを見回すとゆっくりと背を向けて立つ長身の男へと視線を向ける

「やれやれ……ラディッツさん、どうしたのです」

落ち着かせる様に出来るだけ優しく声を掛けた
だが、振り向いたラディッツの表情を見て笑顔が凍りつく
吊り上がる口角と、そこから覗く彼ら特有の鋭い犬歯
元から鋭い目が余計に狂気を帯び、殺気が込められていた
普段は腰に巻かれた尾を揺らして愉しげに笑っている
そしてスカウターに表示される戦闘力はありえない数値へと達していた

「戦闘力がべジータさん以上に……い、いけませんね。これはミズナさんじゃないと止められません……」

前に子供の姿になった時、ミズナを見た途端に大人しくなったラディッツ
今回も暴走を止められるのは彼女しか居ないように思えた
スカウターを弄り、ミズナが戻って来る時間を確認する

「あと、15時間……長いですね」

子供の時でも苦労したのに、こんな状態の彼を相手に無傷で済む訳が無い
フリーザは冷や汗を拭うと両手を前で構えるラディッツに対峙した


ポッドの揺れで目が覚める
顔を上げると、目の前に惑星が見えた

「あれ……?」

母船が着陸しているのだろうか
この辺りの惑星には用がない筈なのに
そう思っている内にポッドが着陸態勢に入った
べジータのポッドとほぼ同時に母船の外側にある着地地点へと降りる
ミズナは摩擦で生じた煙が治まるのをのを待ってからハッチを開けた
座席から腰を上げながらスカウターを弄る

「ラディ、着いたよ」

いつもならすぐに返事が返って来るが、その代わりに雑音が聞こえてきた
それに混ざって爆発音も聞こえて来る
いつもとは違う様子に、狭いポッドから出て腕を伸ばしているべジータに声を掛けた
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