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ドラゴンボール/ラディッツ

第10章 理由(リクエスト)


そう呟き、身体の向きを変えた
中に居た10人程の人の視線がこちらに集まっている
気にせずに奥へと進むと、側に居た人が声を掛けてきた

「ど、どうしたんです?こんな場所に何か用事が……?」

そう言われるのも無理は無い
ここは自分には全く関係の無い場所なのだから
自分を見ている人達の服装は戦闘ジャケットではなく、全体的に白い布で出来ていた
フリーザの母船で戦闘員の食事を作っている人々
戦闘員の姿など間近で見る機会など無いに等しかった
それを表す様に、珍しそうにこちらを見ている
ラディッツは周囲を見回すと声を掛けてきた男に視線を戻した

「作りたい物があるんだ」
「では、自分達が……」
「俺が作る。ちょっと場所借りるぞ」

そう言い、奥の空いている調理台に近付く
棚から適当に入れ物を出して冷蔵庫の前に立った
ドアを開けると冷気を顔に浴びながら視線をさ迷わせる

「……アレには何が入ってるんだろうな。全く分からないが……まぁ良いか、失敗したらナッパに食わせよう」

使えそうな物を持っていた入れ物に入れて冷蔵庫を閉めた
ミズナが戻って来るまでの暇つぶし
上手く出来たら彼女に食べてもらえば良い
ラディッツはそう思い、パックごと出した卵に腕を伸ばした


足元のゴミ箱に卵の殻を放り込む
初めて作るにしては食べられるレベルのものが出来ていた
先程まで周囲に居た料理人達は休憩の時間を取っている
この材料を混ぜたら自分も一休みしようかと思った時、突然背後から野太い声が聞こえた

「おおっ!……これも美味いなあ」
「……ナッパ?」

調理器具から手を離して後ろを見る
いつの間に入って来たのか、ナッパが冷蔵庫の前に立っていた
その手に持っている物を見て顔が引きつる

「お、おい……何を食って……」
「あ、これか?ここに入ってたプリン……らしき物だ」

そう言い、冷蔵庫を指差した
彼の足元には空になったカップが散乱している
そして冷蔵庫に入っていたプリンは半分以上が無くなっていた
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