第9章 悪夢からの目覚め(R-18)
動きを止めたラディッツが力が抜けたように自分の上に倒れてくる
ミズナは真横にある顔に視線を向けると呼吸を整えないまま声を掛けた
「……っ……ラ……ラディ?」
「……ヤバい」
「ヤバいって……何が?」
「……中に……お前、大丈夫か?子供……」
「え……?えーっと……うん、大丈夫……」
「そうか……出来ても責任は取るが……」
「ラディ……話す前に、上から退けて?……ちょっと重くて……」
「あ、悪い」
ラディッツが両腕で支えて身体を浮かせる
自分の中から彼が抜かれると、ミズナは足を閉じて身体を横向きにした
その隣にラディッツがこちらを向いて横になる
じっとこちらの顔を見ると嬉しそうに笑みを浮かべた
「顔色、良くなったな」
「……そ?」
「ああ。さっきのお前、真っ青だったからな」
「…………」
どう返事をしていいのか分からない
言葉を選んでいると、ラディッツが先に口を開いた
「お前、俺を側に感じて安心したんだろ」
「う……ま、まあ……そう、かな?」
「側って言うか、体の中だけどな」
「っ……確かにそうだけど……そんな事言うの恥ずかしくない?」
「別に。本当の事だろ」
そう言い、ミズナの腕を掴んで引き寄せる
細い体を両腕に抱くと頭を撫でた
「ミズナ」
「ん?」
「お前、可愛いな」
「な、何?いきなり……」
「何となく。もう寝ろよ。嫌な夢、見ないと思うぞ」
「……うん。でも、何か……」
そう言い、もぞもぞと腕の中で動く
すぐにそれが何なのかを察して小さく笑った