第7章 千年に一人
「ラディ、入って良い?」
「ああ」
自分と同じ様に肩にタオルを掛けて窓の縁に腰掛けているラディッツ
ミズナは側のベッドに腰を下ろして彼を見上げた
じっとこちらを見ていたラディッツが言い辛そうに口を開く
「ミズナ……お前、さっき……」
「うん」
「見間違いかもしれないが、髪が金色になってなかったか?」
「そう見えたんなら、なってたんだと思う……よく分からないけど」
「分からない?」
「恥かしいのと怒ってたので頭が一杯だったから」
「そうか。まあ、仕方ないな……」
見間違いではなかったのだろうか
1000年に1人の確立で現れるというスーパーサイヤ人
その姿は金色の髪に青っぽい目をしていると聞いた
先程、浴室で見たミズナの姿
まさにその言い伝えの通りだった
船内に居た者全員のスカウターが壊れたのなら、戦闘力は桁外れにまで上がっていたのだろう
(これでまた……お前との距離が遠くなったな……)
そう思いながら顔を伏せた
エリート戦士達からの妬みの視線は耐えられる
だが、戦闘力の差だけはどうしようも無かった
「あ、他の人には内緒ね。ベジータさんには見えてなかったみたいだけど……」
「……分かった」
そう返事をするとミズナは微笑んでベッドに寝そべった
相変わらず人の部屋だと言うのに遠慮が無い
濡れた髪を乱暴に拭きながらその様子を見た
すると、ミズナが大きな溜息を吐く
「どうした?」
「ベジータさんの裸をもう一度見る事になるとは思わなかったな、と思って」
「裸?」
「立ち上がるから思わず見ちゃった。ナッパさんは肩まで浸かってたから良かったけど……」
「ナッパはって……俺……は?」
「……」
「み、見えたよな……目の前に居たんだし……」
「まあ……事故、事故。明日は男女別に入れるみたいだし」
「そうだな……ま、俺もお前の裸を見たのは2回目になるが……」
「水浴びの時?あれは不注意だったねえ」
「いや、俺が悪い」
「ふふ、そうかな」
そう返事をしながら枕に頭を乗せた