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ドラゴンボール/ラディッツ

第7章 千年に一人


「はあ……シャワー装置も使えないんだ……」
「困ったな……だが、俺達には何も出来ん。修理が終わるのを待つしかないな」

確かにこれは修理班の出番
自分達には何もする事が無いだろう
ミズナは頷き、暗い足元へと視線を落とした


フリーザの私室と同じくらい広い空間
ミズナは両腕でタオルを抱いたまま周囲を見回した
部屋の真ん中辺りに衝立が置かれ、それが浴室の中まで続いている
それを見て溜息混じりに呟いた

「部下の部屋より広い浴室か……流石はフリーザ様……」
「無駄に広いな」
「そうだね」

シャワー装置の電源が直るまで数日掛かる
それを知ったミズナがフリーザに何とか早く直せないかと頼み、先に復旧していたフリーザ専用の浴室を貸してもらう事が出来た

「よく貸してくれたな」
「う~ん……任務の数が多くなるかもね」
「まあ……入れないよりはマシだろ」

ラディッツの言葉にミズナは困った様に笑うと衝立の向こう側へと入った
この船に居る多数の種族の中で4人しかいないサイヤ人
早く終わるだろうという理由で1番先に入る事が出来た

「衝立って言うのが頼りないなあ……隙間から見えそう」

そう呟き、スカウターを外す
戦闘ジャケットとアンダースーツを脱いでいると、向こう側でドアが開く音が聞こえた
ラディッツ達が中に入ったのだろうか
そう思いながらスーツを畳んで棚に置き、ボディタオルを片手にドアを開けた
衝立の向こうからは水を使う音が聞こえる
周囲を見回すと、蛇口が並んでいるのが見えた

(フリーザ様専用なのに何でこんなにあるんだろ?)

そう思いながら浴槽に近い蛇口の前に座る
髪を適当に束ねて高い位置で髪止めで止めた
部屋から持って来た石鹸を泡立てて身体を洗う
なにやら背後が気になるが、目の前の鏡には自分と衝立しか映っていない

「……気のせいかな」

ミズナは小さくそう呟くと伸ばした足にタオルを滑らせた


鏡に映る自分と背後の景色
ベジータはそれを見て右手を上げると持っていた石鹸を強く握った
泡で滑った石鹸が勢い良く飛んでナッパの頭に当たる

「痛っ!」
「そっちには衝立しかないぞ、ナッパ」
「わ、悪い。ちょっと気になってよ」
「何がだ」
「この向こう側に女がいると思うと……」
「覗きなどするな」
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