第6章 子守り
ラディッツが石鹸とボディタオルを持って返事をする
ミズナは装置から出て手足を拭くとテーブルに近付いた
置いていたパネルを持ってベッドに寝転がる
石鹸を1個使い切るまでは出て来ないラディッツ
少なくともあと1時間は装置から出て来ないだろう
そう思いながらパネルを操作した
読む事に熱中している内に装置のドアが開く
もう1時間経ったのだろうかとスカウターの時計を見るが、自分が出て来てから15分程しか立っていなかった
泡で遊ぶのに飽きたのだろうかと思い、体を起こす
「ラディ、もう飽きた……っ!」
装置の前に立つラディッツの姿を見て言葉を失った
そこには元の青年の姿に戻った彼が立っている
腰に巻いていたタオルは、長さが足りないのか両手で押さえていた
「あ……?ミズナお前いつ帰って来たんだ?って言うか、ここはお前の部屋か……なんで俺がここに……」
「戻ったぁ!1週間しか経ってないのに……サイヤ人だからかなあ」
「何の事だ」
「覚えてないんだ?あ、着る物取って来るからちょっと待っててね」
ミズナがそう言うと部屋を出て行く
訳が分からないまま取り残されてしまったラディッツ
タオルが落ちない様に押さえながら首を傾げた
惑星侵略を終えて戻って来た後に急に襲われた寒気
医療室で寝込んだ後からの記憶が全く無い
気付いたらシャワー装置の中で泡だらけになっていた
「一体何が……」
そう呟いた時、ドアが開いてミズナが戻って来た
自分がいつも着ている衣類とスカウターを持っている
「私、あっち向いてるからね」
そう言い、持っていた物を置いてこちらに背を向けた
側にあったバスタオルで身体を拭いて服を着る
スカウターを片手に持つとミズナへと歩み寄った
「ミズナ、何があったんだ?2週間くらい記憶が抜けてるみたいなんだが……」
「ラディ、惑星で奇病を持って帰って来ちゃったんだよ」
「奇病?」
「うん」
ミズナがベッドへと腰を下ろし、自分を見上げる
まじまじと見られて何だか恥かしい感じがした