• テキストサイズ

ドラゴンボール/ラディッツ

第6章 子守り


「遊ぶのは後。今はシャワーを浴びてね」
「うん!」

嬉しそうに返事をするラディッツ
その笑顔は成長した彼の物とあまり変わらなかった
一体何時になったら元の姿に戻れるのだろう
見上げるくらい背丈があった彼が今は腰のあたりに頭がある
少し身を屈めて自分と話をする彼とはいつになったら会えるのだろうか

「……早く戻れると良いね」

ミズナは小さく呟くとラディッツを床へと下ろした


ざわざわと沢山の人の話し声が聞こえて来る
その声が聞こえて来る食堂に足を踏み入れると、その声がピタッと止んだ

「……」

異様な雰囲気に包まれながら窓際の席へと近付く
見慣れた後姿を見つけると彼の横に立った

「ベジータさん」
「ミズナ……子守りは順調か?」
「ええ、まあ」

そう言い、ベジータの隣の席にラディッツを座らせる
ガラスに映ったラディッツの姿を見てベジータが驚いた様にこちらを見た

「な、何だその髪型は!」
「これですか?乾かそうとすると嫌がって……下ろしてるとスーツが濡れるから結んだんです」

その言葉にラディッツへと視線を落とす
中央で分けられ、耳の上で結ばれた長い髪
その姿はまるで目付きの悪い女の子の様だった

「私、食事持って来るんで見てて下さいね」
「お、おい……」

呼び止めようとしたが、ミズナは足早に料理が並ぶテーブルの方へと行ってしまう
ベジータは仕方なくテーブルに肘を突いてラディッツを見た
暇なのか足をパタパタと前後に揺らしながら窓の外を見ている
周囲の人々はいつ暴れだすのかと思いながらこちらを見ている様だった

(フリーザですら怪我をするとはな……一体どんな暴れ方をしたのか……)

長期間宇宙を飛ぶこの船は全てにおいて強化された材料が使われている
それを大掛かりな修理が必要な程ラディッツは壊していた
何か潜在的な力を持っているのだろうか
そんな事を考えていると、ミズナがトレイを2つ持って席へと戻って来た

「はい、ラディ」

彼の前にトレイを置き、その隣にミズナが座る
すぐにラディッツはスプーンを手に食事を始めた

「ベジータさん、ラディは……いつ元の姿に戻ると思いますか?」
「俺が知る訳ないだろう」
「そう……ですよね」
/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp