第6章 子守り
ベジータの言葉にミズナが驚き、そして泣きそうになる
それを見てナッパが慌てて口を開いた
「ち、違う!これがラディッツだ!」
「あ、そうなんですか。……って、ええっ!?」
「貴方達が母船を離れている間に戻って来たラディッツさんに、もう1つ侵略をお願いしたのですよ」
「3週間で戻って来たんだが……熱を出して治ったと思ったらこうだ。暴れてそこらじゅう壊して大変なんだ」
フリーザとナッパの話を聞き、ミズナがラディッツへと近付く
その途端、ラディッツが暴れてナッパの腕から抜け出した
思わず身構えるフリーザを尻目にそのままミズナの足へと抱き付く
「!?……ラディ……?」
「おやおや……記憶を失っても恋人の事は分かるんですねえ」
「こ、恋人って……あの、記憶も無いんですか?」
「ええ。記憶が残っていたら私に攻撃なんてしませんよ」
「そ、そうですね」
「では、ラディッツさんの事は頼みましたよ」
「え、私がですか?」
「そうですよ。他の人には全く懐きませんから」
『全く』の部分が妙に強調されて聞こえた
それにこれ以上母船を壊されるのは困る
ミズナはそう思い、溜息を飲み込んで頷いた
ラディッツを足にくっ付けたまま歩く訳にも行かず、両腕に抱いて歩く
ベジータは笑いながら「頑張れよ」と言って先に部屋に戻ってしまった
ミズナの首に抱き付いてご機嫌な様子で尻尾を振るラディッツ
暴れていたとは思えない程大人しかった
修理に駆り出されているのか、C地区の廊下に人影は無い
「どれだけ暴れたんだか……」
そう呟いて部屋のドアを開けた
ベッドへと歩み寄り、ラディッツを下ろす
ミズナは視線を合わせる様にしてその前に膝を付いた
「私、シャワーを浴びるからね。部屋から出ちゃ駄目だよ?」
「オレも入る」
「あ、喋った。って当然か……一緒に入りたい?」
「うん」
「う~ん……」
戸惑ったが、今のラディッツは子供
恥かしがる必要は無いだろう
ミズナはそう思い、口を開いた
「じゃぁ、服を脱いでね」
その言葉と同時に床に下りて服を脱ぎだす
慌てて棚からタオルを引っ張り出し、彼がこちらを向く寸前にその腰に巻いた