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ドラゴンボール/ラディッツ

第1章 友人以上恋人未満


「取り合えず一休みするね。夕食の時間には起きると思う」
「迎えに来る」
「ありがとう。んじゃ、お休み」
「じゃあな」

ミズナが室内へと入り、シュッと音を立ててドアが閉まる
ラディッツはそれを見ると自室へと足を向けた
いつでも好きな時に利用できる食堂
朝昼晩と特に決まってはいないが、ミズナはほぼ同じ時間に食事を取っていた
彼女の夕食時間まではあと3時間程ある
それまで自分も部屋で一休みしておこう
そう思いながらラディッツは窓の方へ視線を移した
自分より3才年下のサイヤ人の女性
母船に居る時は殆どの時間を彼女と共に過ごしていた
子供の頃からずっとそうしていたが、どうしても一歩踏み込めない
ミズナが身にまとう戦闘服は白
一目で彼女がエリートだという事が分かるし、何より下級戦士の自分とは戦闘力が桁違いだった

「……気まずくなるよりは、このままの方が良いか」

そう呟き、廊下の先へ視線を向ける
眠気を感じて目を擦りながら欠伸を噛み殺した
ミズナが母船を離れている間心配であまり眠れなかったとは口が裂けても本人には言えない
ラディッツは噛み殺した欠伸の代わりに目に滲んだ生理的な涙を拭うと自室のドアの前で足を止めた


髪型を整えていると部屋の呼び出し音が鳴った
持っていたブラシを置くとシャワー装置から出てドアのロックを外す
そこには当然の様にラディッツが立っていた

「起きてたか」
「うん。髪に寝癖が付いちゃったからシャワー浴びたところ」
「女は大変だな」
「変な髪形で人前に出るなんて出来ないからね」

そう言いながら小首を傾げるミズナ
自分とは違う柔らかい髪がその動きに合わせて肩から零れ落ちた
思わず見入った自分の脇をすり抜け、ミズナが廊下へと出る
両腕を上に上げて体を伸ばすとこちらへ顔を向けた

「お腹空いた~。食堂行こう」
「ああ」
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