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ドラゴンボール/ラディッツ

第1章 友人以上恋人未満


「何だよ。その通りだろうが」
「ナッパさんよりも格好良いのは認めるけど、ベジータさんよりは……」
「何だよ。劣るって言うのか?」
「まあ……戦闘力が劣ってる」
「!……っエリートと一緒にするな」
「ふふっ、ラディッツにはラディッツなりに良い所があるよ」
「どんな所だ?」
「それは秘密」
「言えよ」

後を整備士に任せ、言い合いをしながら2人並んで出入り口へと近付く
廊下へのドアが開くと背の低い、髪が逆立った男性とぶつかりそうになった
慌てて足を止めると女性が笑みを浮かべる

「ベジータさん、お出掛けですか?」
「ああ。面倒だが命令なら仕方がない」
「お気を付けて」

べジータがその言葉に頷き、中に入ろうとして足を止める
その視線をラディッツに向けると眉を寄せて口を開いた

「その顔は何だ」
「これはミズナが……」
「ラディッツが悪いんです」
「おい……」
「人のせいにしないの。正面に立ってた人が悪いんだから」
「出て来ないお前を心配して近付いたんだろうが」

ベジータは交互に2人の顔を見て溜息を吐いた
顔を合わせれば些細なことで言い争う2人
いつも同じような事をして飽きないのだろうか
この先の展開は分かっている
自分も巻き込まれない内に早く行ってしまおう
べジータはそう思い、自分のポットへと入った

「あ、行ってらっしゃい。お気をつけて」
「おい、ミズナ!まだ話は……」

言いかけたラディッツの脇腹に肘鉄が決まる
蹲る彼を無視してミズナはベジータを見送った
母船を離れるポッドを目で追い、廊下を歩き出す
その後を脇腹を押さえながらラディッツが付いて来た

「ねえ、ラディッツ」
「何だよ」
「いつも私に突っ掛かってきて楽しい?」
「べ、別に突っ掛かってる訳じゃねえよ」
「そ?」

彼の方をチラリと見てムービングウォークで上の階へと上がる
そこは戦闘員の部屋がある居住区になっていた
船内の区切りではC地区と呼ばれている
部屋と言っても円形の廊下の片側にドアがついているだけだった
何の任務も持たない者達が窓際で寛いでいる横を通り、奥へと向かう
少し歩いたところでミズナがドアの前で足を止めた
その横にあるパネルに開錠キーを打ち込んでドアを開ける
部屋に一歩足を踏み入れるとこちらを振り返った
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