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ドラゴンボール/ラディッツ

第5章 二度目


(でも……あんな顔されちゃなあ……)

泣きそうになっていたミズナ
そんなミズナをただ見ているだけという事は出来なかった

「王子様の機嫌が直るのを待つしかないか」
「そうだね。近付いたら怪我じゃ済まないかも」

冗談には聞こえないその言葉
ラディッツは寒気を覚えながら小さく笑った


食堂の窓から外を眺める
ジュースが入ったグラスを片手に髪を弄った

「乾いた、かな?」

シャワーを浴びて半乾きだった髪
ミズナは完全に乾いたのを確認してジュースを飲み干すと席を立った
声を掛けてくる人に適当に返事を返しながらグラスを返却口に置く
部屋に戻る為に廊下に出ると、妙な機械音が聞こえた

「?……何だろ。変な音……」

廊下にこんな音を立てる装置があっただろうか

(メンテナンスの音かな。やるって言ってたし)

そう思い、気にしないでC地区へと向かう
角を曲がって数歩歩いたところでガクンと身体が重くなった

「えっ……何……」

元々重力の強い星で育っているが、それでも立っているのが辛い
更に重力が増して絶えられずに膝に手をついた

「重力装置が壊れたのかな……っ!」

重力が下ではなく、真横に動く
ミズナは壁に背を打ち付けるようにしてぶつかった
受身を取ろうとしたものの、重い手足が動いてくれない

「いっ……痛~い!」

強かに後頭部を壁にぶつけ、情けない声が漏れた
ぶつけた場所を摩ろうにも重力はさらに増して指すら動かせない
目の前が陰り、視線を上に向けるのと同時に身体に衝撃と重みを感じた

「!?……べ、ベジータさん……?」
「ミズナ……か?何が起きている」
「知りませんよ。どっか壊れたんじゃないんですか?」
「くそっ……動けないな」
「べジータさん。重いんですけど……」
「仕方ないだろう」

ベジータが身体の上に乗っている状態
彼の髪が頬に触れ、くすぐったくて仕方が無かった

「?……お前、戦闘服を着ていないのか」
「着てませんよ。もう寝るところで……って何ですか、いきなり」
「……頭に柔らかい物が当たってると思っただけだ」
「ちょ……ど、退いて下さいよ!」
「動けたら退けてやるさ」

流石にこの重力ではベジータも動けないらしい
どうしようかと思っていると、ベジータが慌てた様に声を上げた
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