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ドラゴンボール/ラディッツ

第5章 二度目


「それ以上近付いたら殺すぞ!」
「あのなあ……まあ、少し落ち着け」
「寄るな!」

耳に息が掛かる距離
そんな至近距離で大声を出され、思わず耳を塞いだ
自分を見てラディッツが困った様な顔をする
ミズナを盾にする様にして立つベジータ
背後からガッチリと腕を回され、ミズナは身動き出来なかった

「ベジータ、どうしたんだよ。お前らしくない」
「きっ、貴様!俺に何をしたか忘れたのか!」
「えーと……昨日の事か?あれは中身がミズナだったから……」
「この俺の体だぞ!勝手な事をするな!」
「ああ、悪かったよ。取り合えずミズナを離し……」
「近寄るなあ!」

耳を塞いだ手が役に立たない声量
しかも言い終わらない内に片手から光線が放たれた

「ラディ!」

ミズナの声にラディッツがギリギリでそれを避ける

「あ、危ねえな!何す……」
「ぐわぁ!」
「ああっ!ナッパさん!」

ラディッツが避けた攻撃
それが丁度廊下を曲がって来たナッパに当たってしまった
ミズナがベジータの腕から抜け出し、倒れた彼へと駆け寄る

「大丈夫ですか?起きられますか?」
「ぐうっ……何だ今のは……」
「ご、誤爆です、誤爆」
「ベジータの怒鳴り声が聞こえると思って来たんだが……」
「……何でもない。気にするな」
「そうか?じゃぁ、俺は食堂に……」

光線を受けた腹を摩りながらナッパが歩き出す
その姿を見送りながらミズナは首を傾げた

「ナッパさん、さっきも食堂にいなかったっけ?」
「アイツは暇があれば食堂にいるからな」

ベジータがそう言いながらラディッツの方を見る

「ラディッツ。とにかく必要以上に俺に近付くな」
「分かったよ」

そう返事をすると、少しは機嫌が直ったのか部屋の方へと歩いて行った
側へと近付いて来たミズナを見て溜息を吐く

「いつまで続くと思う?」
「さあ……プライドが高い人だから」
「やっぱり初めてだったのか……な?」
「あれだけ怒るって事はそうなんだろうね」
「……長引くな」
「そうだね」
「人事の様に言うなよ」
「人事だもの」

そう言い、ミズナが笑った
少しは彼女にも責任があるとは思いながらも何も言い返せない
ベジータの身体だというのにキスをしたのは自分なのだから
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