第4章 入れ替わり
「っ……待て、ベジータ」
「黙れっ!俺の体だというのによくも……」
「俺はミズナに……」
そう言っている間にもかざした手の平に光の球体が出来上がった
逃げなければ半殺しにされる
そう思った瞬間、部屋のドアが開いた
「ベジータさん!」
ミズナが自分を庇うようにして前に立ち、ベジータの方を見る
「抑えて下さい。ラディのおかげで戻れたんですから……」
「……くそっ!」
その言葉にベジータが手を下ろし、ベッドに寝転がった
こちらに背を向けるのを見てミズナがラディッツの方へと近付いて声をかける
「大丈夫?怪我してない?」
「ああ……エリートの蹴りはキツいな」
「う~ん……何日かは痛むかもね」
「そうだな。まあ、腹で良かったぜ。ジャケットでだいぶ軽減されたな」
「そ?痣が出来てないと良いけど……ベジータさん、私達部屋に戻りますね」
「……ああ」
こちらを見ずにそう返事をする彼
ミズナはラディッツを促すとドアに近付いた
廊下へと出ようとしたところでベジータが起き上がったのに気付く
振り向くと、彼が自分を見ていた
「ミズナ」
「はい?」
「お前、もう少し食べた方が良いんじゃないか?」
「え?…………あーっ!あまり見ないでって言ったのに!」
「鏡に映ったんだ。仕方ないだろう」
そう言うと口の端に笑みを浮かべた
ミズナがプルプルと震える両手を強く握るとクルリと背中を向ける
「……べ、ベジータさんだってもう少し……」
「何だ。俺に欠点でも?」
「な、何でもないです!」
そう言い、廊下へと出た
先に出ていたラディッツがどうしたのかと首を傾げる