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ドラゴンボール/ラディッツ

第4章 入れ替わり


「いつか自分の身体に戻れる。そう信じていろ」
「……ラディ……」

頬を赤らめて嬉しそうに微笑むベジータ
見間違えでなければ目に涙が浮かんでいた
それを見て全身に鳥肌が立つ
思わずベッドに倒れこむと、驚いたのか彼に肩を揺すられた

「ラディ?どうしたの?」
「や……やめてくれ……ベジータのイメージが崩れる……」
「え?あ……ごめん」

そう言い、肩から手を離して後へ引く
ラディッツは両腕をついて起き上がるとベジータの方を見た
彼は困ったような顔をして自分を見ている

「こんなんじゃベジータさんも怒るよね。分かってるんだけど……」
「いや、俺の前では普通でも良い。だが、あまりさっきみたいのをやるのはやめてくれ」
「ん……うん、分かった」

ベッドに座り直し、壁に寄り掛かっているベジータを見る
信じろとは言ったものの、戻れる保証などはない
一生このままだったらと考えるのが怖かった
それはミズナとべジータが一番恐れていることだろう
少しでも気を和らげることは出来ないかと考え、ラディッツはベッドに片手をついた
その手に体重をかけてベジータに近づく
彼の背後の壁に片手をつくと、近くでその顔を見つめた
いつもの鋭い目付きは、今は穏やかに自分を映している
彼特有の殺気のこもった光は消えていた
それは自分を見るミズナの目と同じだと気付き、僅かに笑みを浮かべる

「ミズナ、戻れなくても……俺がずっと……」

囁くようにそう言い、その頬に片手で触れた
親指の先に触れる唇
ミズナの唇よりも硬かった
中身はミズナだと考えながら顔を近づける
彼は少し戸惑いながらも目を伏せた
頬に触れていた手を後頭部に滑らせ、唇を重ねる
ベジータがこのことを知ればどんな顔をするだろうか
そう思っていると閉じた瞼の向こう側が明るく光るのを感じた

(っ……?)

何の光かと思い、閉じていた目を開ける
目に入ったのは淡く光るベジータの身体
彼がゆっくりと目を開けると、一瞬動きが止まった
目がキョロキョロと動いて再び自分を見ると勢い良く蹴り飛ばされる

「ラ……ラディッツ!貴様、何をしている!」
「痛て~、って……ベジータ?」
「くっ……またあの感じがしたと思ったら……っ!」

そう言い片手を口元に触れ、もう一方の手をこちらにかざす
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