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ドラゴンボール/ラディッツ

第4章 入れ替わり


「眉間に皺を寄せるのやめて下さいよ」
「何のことだ」
「その顔ですよ。皆見てます」
「お前こそ情けない顔をするな」
「こ、これでも頑張ってるんですっ」

ヒソヒソと話をしながら食事を進める
そんな2人を気にしながら、ラディッツが食事の手を止めて窓の方を見た
暗い宇宙しか見えない窓は鏡のように自分の背後を映している
背後の戦闘員達が皆、声を潜めて何かを話しながらこちらを見ていた
ベジータを真ん中にしてミズナと自分が座っている
いつもはミズナが真ん中に座っていた
座る順番が違うのがそんなに珍しいのだろうか

「はあ……嫌なもんだな」

自分の隣で俯き加減で食事を進めるベジータ
その隣のミズナは一通り食べた後にフォークを置いた

「……あまり入らんな、この腹は」
「そんな身体なんですよ」
「珍しいサイヤ人だ」
「自覚してます。……ベジータさんの体はこんなに食べても一杯にならないですね」
「俺は25皿は食うぞ」
「え?ラディより多い……燃費の悪い体ですねえ」

その言葉にミズナがこちらを見る
刺さるような視線を受け流し、ベジータはサラダにフォークを刺した


部屋の明かりを消してベッドに横になる
トイレに行くのにもかなり覚悟がいるこの身体
部屋から気軽に外に出ることも出来なかった
いつまでこんな状態が続くのだろう

(でも、ナッパさんが任務に出てるのは良かったかも……)

彼が自分達を見たらすぐにバレてしまうだろう
べジータが幼い頃から世話をしていた彼に、挙動不審な自分は怪しまれてしまう

「ああ、でも……入れ替わった相手がベジータさんで良かった……ナッパさんなら最悪だった」

そう呟き毛布を引き上げると呼び出し音が聞こえた
スカウターを見ると、表示部分にラディッツの名前が出ている
そのままボタンを押すとドアのロックが外れた
彼がが入ってきてベッドに歩み寄る
上体を起こしてラディッツを見上げると彼は困ったように笑った

「そんな顔するなよ」
「分かってるけど……色々考えちゃって」

そう言い、毛布に顔を埋める
ラディッツはベッドに座ると頭に手を触れた
自分と同じ硬く逆立つ髪
それを撫でているとべジータが毛布から顔を上げた
視線が合うと安心させるように笑みを浮かべる
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