• テキストサイズ

ドラゴンボール/ラディッツ

第4章 入れ替わり


頭から温かい湯を浴び、髪をかき上げる
正面の姿見の鏡に映るミズナの体
病的なほど肌が白く、驚くほど手足が細い
膨らんだ胸と繋がるくびれたウエスト
女らしい体のラインを見て僅かに目を細める

(こんな体で……よくあんな力が出せるものだ)

そう思いながら体を洗う為に肌に手を触れた
水を弾く滑らかな感触は自分のもとのは全く違う
指先を見ると綺麗に爪が整えられていた

「戦闘に明け暮れてはいるが……やはり女だということか」

ミズナは小さくそう呟くと鏡に手を付いた



食事中の戦闘員で賑わう食堂
窓際の席にラディッツの姿を見つけると側へと近づいた

「ラディッツ」

声を掛けると、驚いたようにこちらを見る

「あ……ミズナ……だよな」
「そうだ」
「ベジータかと思った……だが、そうしてないと変に思われるからな」
「ああ。……べジ……ミズナは?」
「まだ来てないな。そろそろ……」

そう言いながら出入り口の方に視線を移す
すると丁度よくミズナが入って来るのが見えた
こちらに気付くとまっすぐと向かって来る

「全く、面倒だな」
「我慢して下さいよ。そんな風に歩かないで……」
「くっ……分かっている」

組んでいた腕を下ろし、料理が並ぶテーブルへと近付いた
自分もその後を付いて行きトレイを手に取る
次々と料理が乗った皿を取るミズナ
それを見て慌てて背後から声を掛けた

「私、そんなに食べれませんよ。知ってるでしょう?」
「ああ……そうだったな」

そう言うと持っていた皿をこちらのトレイに乗せる
自分の姿をしたべジータが席へと戻るのを見送るとテーブルを見た
いつもはラディッツと食べる食事
彼は何度も席を立って料理を取りに行っていた
ベジータも彼と同じくらい食べるのだろうか

(ラディは20皿くらい軽く食べるんだよなあ……)

そう思いながら取り合えずトレイに乗せれるだけ皿を取った
落とさないように気をつけながら席に戻るとイスに座って、ミズナの方を見る
すると不機嫌そうな顔でパンを齧る横顔が見えた
これがベジータの姿だったら違和感はないだろう
だが、ミズナの姿でこの表情
周囲の者が何かあったのかという顔でこちらを見ていた
/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp