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ドラゴンボール/ラディッツ

第1章 友人以上恋人未満


どこまでも広がる宇宙の闇
足も伸ばせない程狭い宇宙船の中ではその闇しか見る物が無かった
外を眺める以外にすることといえば、コールドスリープをするくらいだろうか
狭いポッドの中で綺麗な色の星を見つけては眺める事を何度繰り返しただろう
だが、あと数時間で仲間が居る母船へと戻れる
広い自室で手足を伸ばして寝転がりたい
そう思いながら星の影から姿を現した母船を見つめた


スカウターに映し出された文字
それは仲間が戻ってくる事を知らせるものだった
他の者が戻ってくる時の通信は受けないようにしているが、彼女だけは特別
飲みかけのグラスをそのままにして男は席を立った
廊下へと出てまっすぐに発着室へと向かう
自分を追い越して走っていくのは整備士達
受け入れ準備をするためだろう
横に長い窓の向こう側に球体の小型宇宙船を見つける
書かれている数字で彼女の機体だというのが分った
少し足を速めて発着室へと入る
空いている台にゆっくりと宇宙船が引き入れられ、機械音が鳴るのと同時に固定された
いつも台に固定されるとすぐに外に出て細い手足を伸ばす彼女
だが、今日は待っていても下りて来る気配がない

「おい、どうした」

そう声を掛けてコンコンとハッチを軽く叩いてみる
すると中から強く叩く音が聞こえ、3回目の音と共に勢い良くハッチが開いた
接合部が外れて吹き飛んだという方が正しいだろうか
力ずくで飛ばされたハッチが思い切り自分の顔面にぶつかった

「っ……」
「やっと開いた。壊れたみたい。直せるかな?」
「は……はい。1日もあれば完璧に直せます」
「お願いします。……あれ?ラディッツ、何してるの?」

殴り飛ばしたハッチの下敷きになっている男性
黒髪を膝より長く伸ばした長身のサイヤ人だった
側に膝を付き、ハッチを避けると恨めしそうな目が自分を見る

「お前が吹っ飛ばしたドアが直撃したんだよ」
「あ、ごめん。正面に立ってちゃ駄目だよ」
「顔を直撃だぞ。色男の顔に傷が残ったらどうしてくれる」
「色男~?」

そう言い、ふっと笑う彼女を見て強かにぶつけた鼻を摩った
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