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ドラゴンボール/ラディッツ

第17章 クウラ軍・前編


「クウラ様、奴の戦闘力は1500です。とてもじゃないが……」

使える奴ではない、と言おうとした口が止まる
それは表示された数値が上がったのを見たからだった
1500から一気に4000に上がり、更に上昇を続ける戦闘力
どこまで上がるのかと思っていると視界の端でフリーザが動くのが見えた

「ラディッツさん、手を切っていませんか?」

その言葉にラディッツがグラスを握り潰した方の手に視線を落とす
無意識に破片を強く握ってしまったのか皮膚が切れて血が流れていた
それが雫になって足元に落ちるのを見て頷く

「……はい、大して深くは無いですが」
「手当てをしてきなさい。ミズナさん、付き添いをお願いしますよ」
「はい」

そう言い、ミズナがラディッツと共に部屋を出ようと体の向きを変えた
数歩その場所から離れたところで再びクウラに声を掛けられる

「待て」
「っ……何か?」

ラディッツが足を止め、肩越しに彼の方を見た
じっとこちらを見つめると何か思い出したように目を細める

「貴様は……バーダックの息子か」

その言葉にラディッツが何かを言い掛けて口を閉じた
何故父の名を知っているのか
目がそう言っているのが分かり、クウラは口角を上げた

「そうか、面白い」
「……」
「ラディッツと言ったな。貴様、サウザーと戦ってみろ」
「は……?」
「その……ミズナという女を賭けてな」
「なっ、何を……」
「戦わないと言うのならそれでも良い。だが、ミズナは連れて行くぞ」
「……」
「どうした。女が欲しければサウザーに勝てば良いだけだ。簡単だろう?」
「お……お兄さん、あまり刺激しては……」
「何だ?下級戦士を恐れる必要は無いだろう」
「そ……うですが、ラディッツさんは特別で……っ」

フリーザがやんわりとクウラを止めようとするが、ラディッツが伏せていた顔を少し上げるのを見て口を閉じる
彼の様子を見ると平静を装いつつほんの少し後ろに下がった

(怒ってますね。まあ、こんな事を言われては仕方が無いですが……)
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