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ドラゴンボール/ラディッツ

第2章 距離


ベジータはそう言うと右手を前に出した
相手の光線を飲み込むようにして進み、彼等がいた岩陰を破壊する
爆音が空気を揺らして土埃が高く舞った

「ベジータさん、あまり壊すと星の価値が下がりますよ」
「……」
「ベジータさん?」
「ミズナ……」
「はい」
「お前のポッド、壊れた」
「え?」

そう言われて元の形を留めていない岩場の方を見る
自分が下りたのは岩場の近く
攻撃の威力が強かったのか、それとも火薬か何かに引火したのか
ミズナのポッドが無残な形に変形していた

「あーーーっ!何てことをするんですかあ!」
「……あのポッド、火薬くらいじゃ壊れないよな。だとすると……」

ラディッツがそう言いながらベジータの方を見る
ベジータは気まずそうな顔をして視線を逸らした
ミズナが地面に下りてポッドの様子を見る
だが、一目見ただけで母船に戻るのは無理な状態だと分かった

「ハッチが取れてるし、穴まで開いてるし……これじゃ無理ですね」
「……ラディッツのポッドに乗れ」
「ポッドは1人乗りですよ?」
「お前は細くて軽いから乗れる」
「え~、1人で乗っても狭いのに2人乗りですか?」
「俺よりもベジータと乗った方が少しは広いんじゃ……」

言葉の途中でベジータがこちらを見た
側に飛んでくるとミズナに背を向けるようにして肩を組まれる

「俺がミズナと乗ることは歓迎するが、お前は良いのか?」
「は……?」
「狭いポッドの中で密着すると理性が抑えられん」
「!?……お、俺の方に乗せる」
「そうした方が良いだろうな」

そう言うと肩に回していた腕を離し、ミズナの方を見た

「ラディッツと乗れ」
「はーい」

そう返事をするとベジータはさっさと自分のポッドへと乗り込む
座席に座るとハッチが閉まる瞬間にミズナに声を掛ける

「気をつけろよ」
「?……は、はい」

何のことか分からないがそう返事を返した
その背後の抉れた地表の底で、ラディッツがハッチを開ける
ミズナはその側に下りると困ったように笑った

「どこに座れば良い?」
「……まあ、ココしかないだろうな」

そう言いながら指差したのは座席に座る彼の膝
確かにこれでは彼の上に座るしかないだろう
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