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ドラゴンボール/ラディッツ

第16章 二人の関係


そう言い、直にグラスに口をつけてジュースを飲む
ストローは使わないのが彼の癖でいつもこうやって飲んでいた
ミズナは自分のグラスのストローを摘むと中の氷を混ぜる
そして、一つの考えを思いつくと、イスを回して身体ごとラディッツのほうを向いた

「……言ってなかったっけ?」
「べジータにも言われたが、何を聞いていないのか分からん」

それを聞いて記憶を辿ってみるが、自分でも言ってないような気がしてくる
これは悪いことをしたと思いながら苦笑を浮かべて口を開いた

「私とべジータさんはね、従姉弟同士なの」

自分の言葉に、ラディッツの動きが止まる
そして次の瞬間にはジュースを噴出した

「っ……ちょ、ちょっと!大丈夫!?」
「ゲホッ、ゴホッ……へ、変なとこに、入った……ゲホッ!」

お手拭を彼に渡すと、もう1枚の布巾でラディッツの濡れたジャケットを拭く
テーブルの上も拭くと布巾を畳んでトレイの隅に置いた
そんなに驚くようなことだっただろうか
ラディッツが落ち着き、残ったジュースを飲み干すとこちらを見た

「ミズナ。従姉弟ってことは、お前の親が……」
「お父さんと、べジータ王が兄弟なの。お父さんが、弟ね」
「…………」
「びっくりした?似てないからねー。お父さんは母親似なんだって」

そう言いながら再びストローでグラスの中をかき混ぜる
口をつけて飲もうとしたところで、ラディッツが固まっていることに気付いた

「ん?どーしたの?」
「……」
「ラディ?お腹痛くした?」
「い、いや……親が兄弟って……お前も王族の血を引いてんじゃ……」
「え?……あ、そうだね」
「そうだねって……」
「気にしたことなかったもん」

そう言い、だいぶ氷が溶けてしまったジュースを飲み干す
ラディッツはそんなミズナの横顔を見ながらもう1つのグラスを手に取った
彼女の父親は、以前は下級戦士だったと聞いている
そんな彼がどうやって親衛隊長になったのだろう
サイヤ人は大きな怪我をすれば強くはなるが、その時に戦闘力が跳ね上がったのだろうか
部屋に戻ったら聞いてみようと思い、ジュースを喉へ流し込んだ
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