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ドラゴンボール/ラディッツ

第15章 王子の子守り・後編


「べジータさん、ナッパさんの言うこと聞いてくださいよ?」
「オレはだれの指図も受けないぞ」
「う~ん……ナッパさんは帰って来たばかりで疲れてるので、お手柔らかにお願いしますね」
「ふん。オレはオレの好きに過ごす」

それを聞いて思わず顔が引きつる
母船内にべジータが暇を潰せるような場所があっただろうか
昼寝をさせようにも大人しく寝るような子ではない

(どこか……どこか良い場所……)
「ナッパ」

考え込んでいると、不意にラディッツに声を掛けられた
顔を上げると笑みを浮かべた彼と視線がぶつかる

「手に余るようなら広場に連れて行け。他の奴には悪いが……あの場所なら勝手に遊ぶぞ」
「そ、そうか、良かった……が、他の奴に悪い?」
「ああ……だが、船が壊される前に止めろよ。多少はフリーザ様も大目に見てくれるがな」

そう言い残し、ミズナと共に席を離れるラディッツ
彼らの姿を見送るとナッパはラディッツが座っていた席に腰を下ろした
隣ではべジータが菓子を頬張っている
その様子を正面のガラス越しに見ながら内心溜息を吐いた
食べている間は大人しいが、菓子も残り僅かになっている
ラディッツに教えられたとおりに広場に連れて行こうか
だが、それを拒まれたらどうすれば良いだろう
部屋に行っても暇を弄ぶに決まっている
どうしようかと思っている内にべジータが最後の菓子を食べ終えた
グラスに残っていたジュースを飲み干すと口元を拭ってイスを降りてしまう

「ナッパ。これからどうする」
「え?そ、そうだな、広場とか……良いんじゃないか?」
「広場か。よし、行くぞ」

言い終わるのと同時にさっさと歩き出してしまう彼
ナッパは皿にグラスを乗せるとそれを棚に置いてべジータの後を追った
長期の侵略から戻ってすぐに子守りとは運が悪い
だが、暴れてばかりで手の付けられなかったラディッツよりはまだマシだろうか

「そうだ、ラディッツよりは手が掛からん……多分」

自分に言い聞かせるように小さく呟くと、ナッパは食堂から廊下へと出た
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