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ドラゴンボール/ラディッツ

第14章 王子の子守り・中編


「ラディも寝て良いよ?さっきから目尻触ってるし……」
「え?」
「眠い時の癖。目尻擦ってるときは眠い時でしょ?」
「そう……だったか?」
「うん。寄り掛かって良いよ」
「動けなくなるぞ」
「大丈夫だよ」

そう言い、少しでも良いから休むように促される
べジータも暫くは目を覚ます気配もなく、言葉に甘えようとその場に座り直す
二人で寄り掛かっている木に改めて背を預けるとミズナに寄り掛かるように首を傾けた

「……俺に構わず……動いて良いからな」
「うん」

返事をしながらべジータの身体を抱え直した
暫くすると全く同じタイミングで2人が寝息を立てはじめる
ミズナは声を立てないように笑うとべジータを見た
普段からは想像出来ないほど可愛らしい寝顔をしている
寝相は悪いようだが、こちらが起きていれば手足が当たる前に止められるだろう
そう思いながら今度はすぐ側にあるラディッツの方に視線を向けた
目を伏せて無防備に自分に身体を預けて眠っている
侵略中はいつも神経を尖らせ、少しの物音でも目を覚ますラディッツ
母船に居る時もいつ呼び出しが掛かるか分からず、眠りが浅いのを知っていた
そのラディッツが熟睡するほど疲れている
今夜は自分がべジータと一緒に寝た方が良いだろうか

(かなり疲れてるみたいだし……身体こわしちゃ……っ!)

そこまで考えたところで広場の出入り口に人影を見つけた
思わず息を呑むが、相手はにこやかに微笑んでこちらに近付いて来る
咎めは受けずに済むか
そんな甘い考えをほんの少しだけ抱きながら彼を見上げるように視線を上げた
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