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ドラゴンボール/ラディッツ

第14章 王子の子守り・中編


「そろそろ止めた方が良いかな?」
「そうだな。これ以上壊されたら困る」

ラディッツの言葉に頷き、べジータに声を掛けた
すると彼が最後の光弾をキュイにぶつけてこちらに飛んでくる
自分達の前で芝生の上に降りると背後に視線を向けた

「ふん、にげ回ってばかりでつまらないな」
「い……今の王子は手加減がありませんから……皆怖いんですよ」
「べジータ。お前、何人医務室送りにしたと思ってるんだ」
「弱いやつがわるい。……少しつかれたな」

べジータがそう言いながら小さく欠伸をする
まだ午前中だが、あれだけ動き回れば確かに疲れるだろう
ミズナは膝を抱いていた腕を解くと両足を横座りするようにずらした
そのまま両手を彼に差し出すと軽く首を傾げて声を掛ける

「少し寝ますか?抱っこでも、膝枕でも……どっちが良いです?」

自分の問い掛けに答えずにべジータが近付いてくる
膝に腰を下ろすとこちらに身体を預けて来た

「抱っこですね」

小さく笑いながら寝やすいように彼の身体を両腕で支える
右隣から物凄い視線を感じてそちらを見るとラディッツがべジータを睨むように見つめていた

「ら……ラディ、今のべジータさんは子供だから、ね?」
「分かってる……が、思わず殺意が……」
「なんだ。また男のしっとか」
「……」
「ところで、子どもはまだなのか?」
「っ……あのな、べジータ……簡単に出来るもんじゃねえんだよ。それに、1人で眠れないって言うお前に添い寝してりゃ無理だろ」
「?……サイバイマンのように種を土に埋めて水を掛けるんじゃないのか?」
「……」
「……」
「?」

固まる自分達を尻目に、眠たそうに目を擦るべジータ
ラディッツと同じように幼少時と青年時の記憶が混ざってしまっている
ここは説明せずに適当に流したほうが良いだろうか
はっきり言おうにも今の彼に理解できるのか
様々な考えが頭の中を駆け巡る
だが、べジータは眠気に耐えられなくなったのかミズナの胸に顔を寄せて目を閉じてしまった
目が覚めた時には今の話は忘れているだろうか
忘れていて欲しいと思いながらラディッツは小さく息を吐いた
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