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ドラゴンボール/ラディッツ

第14章 王子の子守り・中編


母船が航行不能寸前まで壊されたというのに
全ての戦闘員が彼を止めようとして逆に打ちのめされたあの悪夢の光景
未だに夢に見て魘されている者が多かった
あの時と同じ状態のべジータの子守りを出来る訳が無い
冷や汗をかく彼を見てラディッツが「冗談だ」と言い、べジータの身体を支え直した
そのまま固まってしまった戦闘員から視線を逸らすと廊下の先を見る
部屋から出てきた人々が皆こちらに顔を向けていた
誰もが肩車をしている自分を見て妙な表情になっている
べジータが自分の肩に乗っているのはやはりおかしく見えるのか

(プライドの塊のべジータがこんな格好してるからな。……変に思うか)

ラディッツは小さく笑うと、ミズナを促して食堂に足を踏み入れた


「……痛え……」

思わず呟いた言葉に、ミズナがこちらに顔を向ける
片手を上げてそっと右目の周囲に指先を触れると困ったように眉を寄せた

「痣、くっきり……大丈夫?」
「さっきのは、俺が悪いのか?」
「あれはべジータさんが……」

言葉の途中で先ほどの光景を思い出したのか、彼女が笑う
自分の肩に乗っていたべジータ
食堂に入ろうとした時、ずっと窓の方を見ていた彼が出入り口の上部に頭を思い切りぶつけてしまったのだ
それに対してラディッツが悪いと言い出し、思い切り振り下ろした手が当たったのは右目
そのおかげで両目の周囲に痣が出来てしまっていた
背後の木に寄り掛かると、広場を飛び回るべジータに視線を向ける
いつもはのんびりと休暇を過ごす戦闘員達
それが今日は上空のべジータにちょっかいを出されて逃げ回っていた
反撃しようとすれば容赦なく数倍の威力で撃ち返される
慌てて避けると床や壁に当たり、機械部分は剥き出しにされていた
一度ザーボンが駆けつけて来たがラディッツの事を思い出したのかそのまま帰ってしまっている
エリートの戦闘員も彼を実力で止めようとするものは皆無だった
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