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ドラゴンボール/ラディッツ

第14章 王子の子守り・中編


言葉を交わしながら廊下に出ると、少し先を歩いていたべジータがこちらに顔を向ける
近付こうと足を踏み出したところで彼が床を蹴った
何だとその動きを目で追うと背後に回り込んで首を跨ぐようにして座る

「お、おい……」
「歩け、ラディッツ」
「はいはい……いきなり肩車か」
「ラディは背が高いから。目線が高くなって面白いんじゃない?」
「ああ……べジータは大人に戻っても背が低……っ!」

そう言いかけたラディッツが顔を痛みに歪める
どうしたのかと更に視線を上げると髪を掴むべジータの両手が見えた
それは掴まっているというよりも引っ張っているように思える
ミズナは慌てて両手を伸ばすと彼の小さな手に触れた

「べジータさん、ラディの髪が抜けちゃいます!」
「なんのことだ?オレはなにもしていないぞ」
「引っ張ってるじゃないですか!身長のことを言われたからって髪を抜くなんて酷いです!」
「べ、べジータ!サイヤ人の髪の事を知ってるだろう!」

口々にそう言いながらべジータの手を離させると、彼が不機嫌そうにラディッツの頭に肘をつく
その手に顎を乗せると不貞腐れたように窓の方に視線を向けた
もう髪を引っ張ることはないと判断してラディッツが安堵の息を吐く

「大丈夫?」
「ああ……もう少しで髪型が変わるところだったな」

そう言いながら引っ張られていた部分の頭皮を摩った
片手でべジータの足を支えながら再び食堂へ向かって歩き出す
部屋から出てきた戦闘員が自分達を見て驚いたように目を瞬いた
ミズナが笑みを浮かべて彼に声を掛ける

「おはよー」

彼が戸惑いながら引きつったような笑みを浮かべて口を開いた

「お、おはよう……ラディッツ、朝から大変だな」
「子守り、代わってくれるか?」
「無理!お前みたいに暴れられたら……今度こそ死ぬ!」
「そこまで酷く暴れたのか。全然覚えてないな」
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