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ドラゴンボール/ラディッツ

第14章 王子の子守り・中編


「起きたか?」
「半分寝てるよ」

苦笑を浮かべてそう言うとべジータを抱え直して水道の蛇口を捻る
ぬるま湯をコップに注ぐとそれを彼の口に近付けた

「はい、べジータさん」
「……」

僅かに顔を上げた彼がコップに口をつける

「口をすすぐんですよ。飲んじゃ……あっ、飲んじゃった」
「……ぬるい……」
「もお、すすぐんですってば。飲まないでください」

そう言いながら再びカップを口に寄せるミズナ
ラディッツは邪魔になるだろうと思い、シャワー装置を出た
水を使う音を聞きながら靴を履き替えて戦闘ジャケットを身に着ける
ジャケットの中に入り込む髪を片腕で払うようにして背に流した
腕のサポーターを着けていると、ミズナが少し怒ったような声を出す
続いてべジータの悲鳴が小さく聞こえたような気がした
何だろうと思いながらベッドに腰を下ろすとミズナが装置から出て来る
彼女の腕から下ろされたべジータが小さく欠伸をしてこちらに歩み寄った

「目、覚めたか」
「顔にかけられていた湯がいきなり水になった。いやでも目が覚める」
「ちゃんと起きないからだろ?ほら、飯食いに行くぞ」

そう言い、棚に置いてあった小さな戦闘ジャケットを手に取った
両手を万歳するようにして上げるべジータに被せるとモゾモゾと頭を動かす
襟を引っ張る手の動きが止まると片足で床を踏み鳴らした

「ラディッツ!引っかかった!」
「あ~、はいはい……顔、正面に向けろ」

言葉の通りにべジータがジャケットの中で動く
裾を引いてやるとようやく彼が頭を出し、自分を見上げて鼻を摩った

「いたい……鼻がけずれる。もう少しやさしくしろ」
「お?いつも俺に軟弱だのなんだの言ってる奴のセリフとは思えないな」
「うるさいっ!さっさと食いに行くぞ!」

べジータの言葉にミズナが苦笑する
さっさと歩き出した彼の後を追うようにベッドから腰を上げるとミズナに近付いた

「今日も振り回されるだろうな」
「うん。戻るまで頑張ろうね。ナッパさんももうすぐ帰って来るし」
「ああ」
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