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ドラゴンボール/ラディッツ

第13章 王子の子守り・前編


食堂のイスに座り、プリンのカップにスプーンを挿すベジータ
普通に座るのではテーブルに届かず、ミズナの膝に座って丁度良い高さになっている
隣に座るラディッツは頬杖をついてじっとそれを見ていた
ベジータがスプーンを口に入れて彼の方に顔を向ける

「……何だよ」
「男の焼きもちなどくだらんぞ」
「なっ……俺がいつ焼きもちを……」
「オレがミズナのひざに座ってからだ。ずっとにらんでるだろう」
「…………」

何も言えなくなる自分を見てベジータが口の端を上げて笑った
この上なく憎たらしさを感じながら片腕を彼の方に伸ばす
指先で額を軽く弾くようにして叩くと彼と同じように笑みを浮かべた

「口の端にカラメルソースつけて格好つけてんじゃねーよ」
「!?……う、うるさい!気安くさわるな!」

そう言い、顔を背けて再びスプーンを口に運ぶ
ミズナはそのやりとりを笑いを堪えるように口元に手を当てて見ていた
大人げなかったかと思っていると、彼女が片手をベジータの頬に触れる
首を傾げて顔を見ると口の端を親指で拭った

「ベジータさん。食べたら、薬を飲んで休んでくださいね」
「なぜクスリをのまなければならない」
「喉が痛いって言ったじゃないですか」
「も……もう大丈夫だ。別に、クスリが苦いからのまないわけじゃないからな!」
「駄目ですよ。ちゃんと治さないと」
「平気だ!ミズナ、オレをいじめて楽しいのか!」
「虐めてなんかないですよ。大丈夫なら、今日は大人しく寝ていてくださいね」
「……わかった」

そう返事をするベジータの頭を撫でると片手をラディッツの方に伸ばす
そのまま顎に指を添えると、カラメルがついた指を彼の口に入れた

「んぐっ……何をする」
「布巾が無いんだもん」

当然だと言うかのような口ぶりにラディッツが呆れたような顔をする
ミズナはベジータの身体を抱え直すと、正面の窓に視線を移した
外が暗いせいでガラスが鏡のようにこちらの姿を反射している
幼い頃のベジータは人を側に置くのを好まず、いつも1人で過ごしていた
その子供の彼を膝に乗せている今の状況は夢のようにも感じる
思う存分子供のベジータと戯れようと思っていると、ラディッツが口を開いた
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