第2章 オレンジとブラック
本を小脇に持ち、路地裏から帰宅する道をいつもと同じ、自分の楽なペースで歩きながら景色を見ると。商店街はオレンジとブラックに染まり。名前忘れたけどあのカボチャの顔や幽霊、黒猫、魔女、フランケン、ヴァンパイア、コウモリ、墓、などの飾り付けがしてある。
俺が住んでるこの世界はどうやら今はハロウィンに夢中らしい。
俺もハロウィンは嫌いじゃない。
寧ろ興味がある。
俺ドメスティックパリピーだし。
本来は確か子供がトリックオアトリートって言って、各家を訪ね、お菓子をもらうイベントだったよね。簡単に言って。だが、最近のハロウィンは。ハロウィン当日の人々は若者から大人、子供までコスプレや仮装をしてパーティーやイベント、パレードに集いその日をリラックスして自由に楽しむ。そして翌日、なにか事件がおきたり公共のマナー、ゴミ問題などをニュースに流したりしている。
つまりは人がたくさん集まり、ハメヲハズシテ タノシム場所で、問題がおきないわけがないってこと。いつもルールから逸脱した人間はどんな場所にもいる。因みに俺は人生の一般的な大人が歩むルートやルール、大人としての社会性から逸脱している。社会の生きるゴミやクソにかわりないわけ。
とにかくハロウィンをあちこち目にし、意識してしまったがために、そんなことを俺は考えてしまっていた。