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砂漠の白い花
第2章 王子
監視係が怯えたのは、ルシエトの首にかかる王家の紋章を見たからだった。
突然の王子の来察に青ざめた。
「この男に聞きたいことがある。
連れて行く」
労働者の横に跪き、肩を抱きながら、
監視係を見上げるルシエトの眼には
有無を言わせぬ強さがあった。
「俺が来た事は誰にも言うな」
「はっ」
監視係は恭しく頭を下げる。
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