第2章 見知らぬ世界と出会い
煌帝国を抜け出して、アイツを見つけたのは偶然だった。
退屈で退屈で死にそうで、アル・サーメンの親父どもの目を盗んで魔法の絨毯に飛び乗った。
そのままシンドリアに行って、バカ殿にでもちょっかいかけてこようか、なんて考えるのはいつもの流れだった。ただ、煌帝国からシンドリアへの最短ルートは海の上を通るのだが、あれはよろしくない。
海の上は何もなくてつまらないし、何より潮風で髪が傷んでしまう。
生まれてから一度も切ったことがない後ろ髪は、俺の自慢だった。
そんなわけで中央砂漠を越えてシンドリアに行くことにしたのだが、これはこれで後悔した。
砂漠にも面白そうなものがないし、自慢の髪が砂だらけになったからだ。
地上はどこまでも白い砂が続いている。どこもかしこも真っ白で、何の面白味もない。ーーその時、真っ白なルフが俺の視界に飛び込んできた。