第2章 見知らぬ世界と出会い
「見ての通り砂漠のど真ん中だ。お前、砂漠ヒヤシンスにでも喰われて死にてぇの?」
「砂漠ヒヤシンスがどういう生き物か知らないけど、喰われて死にたくはないなぁ」
我ながらイマイチ緊張感のない声だと思った。少なくとも私の知らない世界に放り出されたというのに、何の感慨もわいてこない。そして、ふと気づいたことを言ってみる。
「何で私の髪、白いんだろ。黒かったはずなのに」
「知るかよ。俺が見つけた時からそのままだけど」
「じゃあ、目の色も変わってたりして。何色?」
影ーーいや、『彼』は私の顔を覗き込んだ。逆光で今までよく見えなかったけれど、彼は端整な顔立ちをしていた。
「……青と緑が混じった色」
ぽつりと彼が答えた。
やっぱり目の色も変わっているのか、なんてぼんやり考えた。
「君の目は綺麗な色だね」
私は、彼の赤い瞳を見てそう言った。
坦々と私に問いを投げかけていた彼がぽかんとした顔をするのを見て、可愛いな、と思った。
また彼が何とも言えない顔をするので、思わずくすっと笑ってしまう。
「君の名前を教えて」
私は笑いながらそう言った。すると、彼は顔をしかめてぶっきらぼうに言ったのだ。
「ジュダル」
それが、私と彼の出会いだった。