第8章 戦場と臆病者
ジュダルはアブマド王との会談が終わっただろう時間になっても一向に帰ってこなかった。
「外が何か騒がしいようですね」
「またジュダルちゃんの悪い癖が出たのかもしれないわねぇ」
夏黄文と紅玉が言った。どうする?と私が聞くと、「迎えに行きましょうか」と返ってきた。面倒なことになっていなければいいのだけれど。
「絨毯を出すわぁ。一応閻心、閻体、閻技も連れて行きましょう」
そういうわけで、ザ・空の旅。
閑散とした街並みを眺めていると、異様に騒がしい場所があった。
戦闘があっている。
決着が着こうとしていた。頭部のない青い巨人が今まさに地面に倒れ伏している一人にとどめを刺そうとしていた。
ジュダルだ。
巨人が熱魔法をジュダルに振り下ろそうとするギリギリでジュダルを救い出す。熱魔法の威力は凄まじいもので、地面が今まで見たことがないほど抉れている。ジュダルを救い出してすぐに絨毯の高度を上げたので衝撃を受けずに済んだが、直撃を食らえば命はまずないだろう。
「あらあらぁ……なんなのぉ?あの化け物は……。随分と私たちのかわいいジュダルちゃんをいじめてくれたみたいじゃなぁい?」
紅玉の発した言葉で地上の彼らはこちらに気づいたようだ。紅玉はいたって無表情だが、その実かなり怒っているのが私にはわかった。
「間一髪助けることができましたね」
「でも、大ケガしてるわぁ」
ジュダルの身体には酷い痣があり、ぴくりとも動かない。