第7章 紅玉の嫁入り
煌帝国に来てからも、ジュダルが私のベッドに潜り込んできて一緒に寝るという習慣は続いていた。
部屋は隣同士とはいえ別々にあるにも関わらず、ジュダルは私の部屋に入り浸っている。
「なあジュダル」
「なに?」
「私、紅玉さんと一緒にバルバッドに行こうと思う」
そう言うと、ジュダルはこちらを向いた。
「行ってどーするワケ?」
「まず、バルバッドがどういう国なのか見たい。できればバルバッド王にも会ってみたい」
「それで?」
「それでって、私にできることなんてないよ。バルバッド王がどうしようもない奴だったら、ひっぱたいて破談にしたいトコだけど、それができるほど何も知らないわけじゃない」
私の答えにジュダルは「ふーん」と言った。
「ま、いいけど。てか俺も行くし」
「ジュダルも行くの?」
「神官として呼ばれてんの。そういや俺、バルバッドの王サマに会ったことあるぜ」
「マジで!?」
まさかジュダルが知っているとは思わなかった。
「どんな人なの!?」
「確か名前はアブマドだったな。どんな奴かはあんま覚えてねーんだけど、王の器じゃなかった」
その返事に少しがっかりする。手がかりは『アブマド』という名前らしいことと、王の器ではないことのみ。王の器がないといっても王の器=いい旦那というわけではない、はずだ。
「あ、今思い出したんだけど、あいつ面白いこと言ってたわ」
「面白いこと?」
ニヤニヤ笑ってジュダルは言った。
「そうそう、煌帝国から金借りるために国民を全員奴隷にするってさ!」